TikTokをはじめてから1ヶ月が経ちました。
いやー最高っすね。自分の作った曲が聴いてもらえるのは最高っす。TikTokまぢ神アプリ。
ところで、TikTok内の曲の使用について思う事がある。「なんで音楽制作者は、TikTokに曲を使われる事を嫌がる人が多いの?」という話。(※著作権と原盤権が自分にある人の場合)
俺は圧倒的に使ってほしい派。プロフィールページにも「音源は自由に使ってね」と書いてはいるんだけど、「音源使っても大丈夫ですか?」とたまにコメントが来る。「無断で曲を使用してしまいました…。削除した方が良いでしょうか?」なんてDMが来た事もある。いや全然良い。むしろガンガン使ってくれ。
今の時代、聴かれる事こそが絶対。
ほぼ全ての音楽が数クリックでフルサイズ聴ける環境が整っている。もはや「聴かせてあげる」のではなく「聴いて頂く」時代だと思う。本来ならミスチルの曲を聴けたはずの4分を頂戴して俺の曲を聴いて頂く。そんな感じ。
でも、世論は「TikTokが曲を使用するのは作曲者さんに迷惑」らしい。まぁわかるけども。それはわかるとして、作曲者が「私の曲をTikTokに使わないで下さい」と主張する理由はわからない。なんのメリットがあるのか?
というわけで、「TikTokに曲を使われる事のメリット・デメリット」について考えていこう。
(ちなみに、今回の話はあんまり音楽制作者には届いて欲しくない。理由は後ほど)
TikTokに曲を使われる事のデメリットについて

いきなり余談だけど、TikTokが嫌いな人の理由って「楽しそうな他人を見たくないから」の1点に集約されるんではないだろうか。俺もそうだったけど。使用許可だの著作権だの何やかんや理由を振りかざそうが、結局は「自分より幸せそうな奴が憎い」が全ての動機では…と思う。Twitterのアニメアイコンもほとんど著作権侵害だしね。
話を戻す。曲を作ると、作った人には著作権が発生する。他の人がその曲を使うためには、作曲者に「曲使って良いですか?」と許可を得る必要がある。ざっくりとこんな感じ。
他人の曲をCDに焼いて売ったり、他人の曲を無断で演奏してお金儲けをしたり、他人の曲のフルサイズをアップロードして広告収入を得たり、そんな事されたらたまったもんじゃない。本人に入るはずのお金が減ってしまう。
で、TikTok。減るだろうか?
「本当はCD買ったりiTunesで曲をダウンロードしたいけど、お金が無いからTikTokの15秒版で我慢しよ!」なんて人、いるだろうか?
むしろ、自発的に宣伝してくれているとさえ思う。もし物凄く権利にうるさいアーティストがいて、次々とTikTok等での使用を取り締まっていたとする。で、ちゃんと誰も使わなくなる。聴かれる回数が減る。それマイナスじゃないだろうか。
「私の作品は自由に使って良いですよ!」と大々的に告知。そして使ってもらう事によって宣伝してもらう。その結果有名になる。畑は違うけど「いらすとや」なんかまさにそのパターン。
まぁ、ひょっとしたら15秒版で満足する人もいるのかもしれない。俺が知らないだけで。
アーティストのブランディングに悪影響

みんな、米津玄師は好きかい?ぼくも大好き。
インディーズから徐々に人気を獲得し、市民権を得るアーティストには「有名になると古参のファンが離れる」のも宿命。その点米津玄師は凄い。そういうのをほとんど聞かない。
米津玄師が、ここまで幅広いジャンルの人たちに愛されている理由の1つに、ブランディングが関係していると思う。どういう事か?
例えば、米津運営が「米津玄師の曲をTikTokで踊ろう!」なんてキャンペーンを公式的に打ち出したらどう思うだろうか?
例えば、米津玄師本人が「どうも米津です。みんな、TikTokで「#フラフラフラミンゴ」踊ってね!」とか言い出したらどう思うだろうか?
結果的に、フラミンゴを聴かれる回数は増えるかもしれない。でも、なんか…なんか嫌だよね?
玄米法師クラスとまではいかなくとも、アーティストが「僕の曲をTikTokで使ってね!」と公表するのはブランディング的にマイナスかもしれない。となると、あくまで黙認しつつ、公には「僕の曲がTikTokで勝手に使われて、不快です」のスタンスをとるのが賢明かもしれない。
いや、ひょっとしたら皆それなのかも。どうか違っていてほしい。
俺は本当に心の奥底から、「もやしさらだ」以外の全アーティストの権利主張が厳しくなって、「もやしさらだしか使える音源が無い」時代が来てほしいと思う。本当に心の奥底から思う。以上です。