とある町の話なんすけど、その町に高校が10校あるんすよ。
となると、街中に高校生がめちゃくちゃ多いわけっす。昼休み時や夕飯時になると町中に高校生がうようよと。
(こんな感じ)
で、定食屋の客層も高校生ばかりなんす。
マヨネーズをぶっかけた味の濃い料理が高校生に大人気らしいんす。いろんな定食屋があるんすけど、とにもかくにもマヨネーズをぶっかけた味の濃い料理が求められてるっす。高校生の味覚なら普通なのかもしれないっすね。
とある定食屋の店主は、何年も料理を研究してきた人っす。素材とかダシとか風味とかをすごく大事にしていて、色んな料理の技も持っていて、食べ方にもこだわる人っす。そんなわけだから、何も考えず料理にマヨネーズドバッ!が繁盛する風潮は気に入らないらしいんす。
しかしながら店はガラガラらしいっす。だってマヨネーズがかかってないから。おまけに店の外観とかに無頓着なのも相まって、まず店に入ってもらえないんす。
いいすか?その町で繁盛したければ、受け入れてもらいたければ、マヨネーズをぶっかけた料理を作るんす。しょうが焼きでもカツ丼でもラーメンでも。
そんなある日、その町で育った大学生が「俺も店開いてみようかな。わりと料理好きだし」と思い立ったそうなんす。
その大学生自身もマネヨーズが大好きだから気持ちがわかるんす。大好きなマヨネーズたっぷりの定食屋を開いたんす。いとも簡単に大繁盛したらしいっす。だってマヨネーズがかかってるから。調理技術は大学生レベルなんすけど、大量のマヨネーズで誤魔化せるんす。そして若者ゆえに、「若者にウケる外観」がわかってるんす。
一方、こだわりを捨てきれないベテラン店長たちの店は相変わらずガラガラっす。まぁ気持ちはわかるっす。何年も料理を追求してきて、丹精込めて作った料理にマヨネーズドバーはいただけないっす。
それに、その風潮が出来たのも最近の話っすから。今のマヨネーズブームをなかなか受け入れられないんす。かつては通用してたのに。
徐々に、プライドを捨ててマヨネーズを大量発注し出した店が出始めて、そういう店から沼を抜け出せたらしいっす。
このマヨネーズが、ボカロにおける丸サ進行だと思うっす。
長々と話して申し訳ないっすけど、音楽的な面で流行ってる理由付けをするなら「オシャレでかっこいいから」くらいしか思いつかないっす。
音楽がよくわからない人に向けて言うと、丸サ進行って何も考えずに使っても大丈夫なんす。何も考えずに「とりあえず丸サ進行つけよ」と。どんな料理だろうと、何も考えずマヨネーズぶっかけるのと同じように。なんとなく美味いじゃないっすか。なんとなく「オシャレでかっこよく」なるんす。
・誰でも簡単に使える
・それでいてウケが良い
そんな料理界のマヨネーズ。よかったらぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
で、こっからは余談っす。
俺はリアルでも飲食店やってるんすけど、全く同じ状況になったんす。
今回長々と言った事って、ずっと前から思ってたんすよ。でも、それを言っちゃうのはダサいじゃないすか。「じゃあプライド捨ててマヨネーズぶっかけて、店を繁盛させてから言えよ」ってもう一人の俺に言われたんす。だから、そうしたんす。
ついでに、長年こだわってた外観も変えることにしたんす。若者に大人気のカラフルな外観にして、内観もインスタでベェるようにしたんす。プライドを捨てて媚びに媚びたんす。
あとついでに、店長である俺の顔も知られてるわけっす。せっかく外観を綺麗にしたのに、来店したお客さんに「あの美味しくない店の店長だ」と先入観を持たれるのは良くないと思ったんす。だから俺はオーナーになって、店長は他の人にして、店名も変えたんす。
そしたらなんとまぁ、いとも簡単に大繁盛っす。そしてこの記事を書いたんす。